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栄通記

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2010年 07月 18日

1301) 時計台 「斉藤嗣火・展」 終了・7月12日(月)~7月17日(土)


○ 斉藤嗣火・展

 会場:札幌時計台ギャラリー 2階A室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年7月12日(月)~7月17日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(7・17)

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          ↑:「予感」・S100。

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          ↑:「献」・F130。

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          ↑:「否」・F100。


 画題は古代ギリシャ神話や、中世ヨーロッパを象徴的に描いているようなムードで、画家のイメージなり思想の産物だろう。

 氏の絵画ワールドを見続けているのだが、ちょっと大仰なスピード感について行けないところがあった。今回も大きく女性像を描き、中央を忙しくひた走る流動タッチは同じなのだが、いつになく「人」の猜疑心強い表情と、その表情とは合わないようなタイトルが気になってしまった。一方、普通に人物二人を描いて、「否」というのも挑発的だ。
 タイトルの「予感」とか「献」とかは、どことなく人間を肯定的に見つめているようだ。だが、「女性」顔はどこか嫌らしく、頭部も何かに侵されたように皮膚はただれている。そして崩れた顔の上部には、「本当の、あるいは理想の顔」が希望の有り様みたいに描かれている。その顔が良き「予感」なり「献」なのかもしれない。相反する二つの顔、素顔よりもおぼろに立ち上がる大きな顔に「より良き姿」を作家は求めているようだ。

 それにしても、この猜疑心はどこから来ているのだろう?

 絵全体はどの絵も非常に安定的だ。中央付近に「人」を、人と対等な形で「花」を、人も円く膨らむ形で「豊満さ」がある。その世界を引き立たせるようにして、激しい動きの「渦」がある。何より構図が安定的で破綻が少ない。薄暗き色合いが重厚感を与えている。

 「安定感」・「重厚感」と「動き」が氏の持ち味だと思う。今回、顔を二重画像のように描き込み、深みを与えようとしている。今後、絵の安定感を損なわないで否定的要素が加わっていくのか、次回はその辺に焦点をあてて見ることにしよう。


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          ↑:「沈黙の刻」・F30。

 かなり気に入った作品。素直な安定感に惹かれたのだろう。


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     ↑:左、「吊」・M12。右、「秋」・M12。

by sakaidoori | 2010-07-18 22:13 | 時計台


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