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栄通記

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2010年 03月 19日

1230) さいとう 「内海眞治・個展 『お喋りな陶』」 終了・3月9日(火)~3月14日(日)

○ 内海眞治・個展
   「お喋りな陶
 

 会場:さいとうギャラリーA室
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:20010年3月9日(火)~3月14日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(3・13)

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 今展は焼き物が主なのか、焼き物に描かれた絵が主なのかが難しい。
 それは、絵付けできる焼き物の技の進歩であり、絵そのものの表現力の上達とも言える。
 あー、こんなもったいぶった言葉は止めよう。要するに陶芸家・内海眞治は限りなく絵が上手くなった。確かに遊び心から来る絵や形の可笑しさはあるが、上手く成りすぎて僕には可笑しさが薄らいで感心してしまった。陶は技法の手段であって、「現代美術作家」内海眞治と呼んだほうがよさそうだ。それが良いことなのかは・・・。

 年末のギャラリー法邑では「メタボ」で女性を揶揄するような胸像作品を作った。アッパレと言うしかない真骨頂だった。
 今回はその反動で売りを意識した小皿やカップ、それに懐古調を含めた本格的作画への試みだ。だから焼き物としてはヒョウキンなカップなどの日用雑貨(立体小品)の方が面白いかもしれない。
 画家・内海眞治の顔は陶板画のほうでいろいろと試みていた。

 氏の作品は比較的小さい。釜の問題もあると思うが、内に閉じこもって一人遊びを楽しんでいた名残でもあろう。でも、小さい作品では収まりきれない絵心が会場に充満していた。今展のいろいろな傾向を大きくひとまとめにした作品を必ず描きたいはずだ。それでなくては単に面白くて上手い陶板画・内海眞治で終わってしまう。

 限りなきメルヘンとロマン、徹底的に人(女)を揶揄して笑わせるピエロ根性、心の闇を見つめ楽しむ傲慢さ、暴走しかねないエネルギー・・・、通底には現代文明への異議申し立てもあろうが、そんなことはどうでもよろしい。描きたいこと、描かねばならぬことがまだまだいっぱいあると見た。作家は中年まっしぐらの年齢だ。期待するところは大きい。




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 今展で1点だけ選ぶとしたら、右の作品が一番の好み。グルグル巻きの線描、幾重もの卵形が迫ってくる。


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 左の作品、青色の全体配分に氏のエネルギーを思った。充満と余裕だ。青が焼き物らしくて良い。

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 左の縦線は段ボール紙の内部の模様。右の丸の模様もバインダー用の紙穴のようだ。コラージュ的技法の応用。遊んで作った「近代絵画」、何でもできる内海眞治。


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 今回はフリーハンドの細い線にこだわっていた。絵を描きたい証だろう。それと、現段階の技量を確かめているのかもしれない。
 右側のヒツジ作品、青地に白のムクムク感がいい。顔が余りに可愛く普通なのが物足りない。顔を描くと甘くなる時がある。


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 右側の絵本のような作品、「美しきかな、我が心の恋人、今はいずこ」、そんな内海ロマンです。そのまんま過ぎるが、男心とはこんなものでしょう。


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by sakaidoori | 2010-03-19 10:28 | さいとう


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