2010年 02月 13日
○ 札幌学院大学・総合芸術研究会写真部 卒業記念写真展2010 ※倉内亮 磯田千尋 蜂谷知広※ 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー) 中央区南2条西2丁目 NC・HOKUSENブロックビル4階 (北西角地、北&西に入り口あり) 会期:2010年2月10日(火)~2月14日(日) 時間:11:00~19:00 (初日は、15:00~。最終日は、~16:30まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・13) 広い会場だ。確かにもっと多く、という思いはある。が、しっかり学生達の現況を張り付けていた。短所は多いだろう、当然だ。会場で話した学生を中心に報告します。 ○ 倉内亮の場合 僕は学生グループ展で彼の作品は知っていた。 他の学生とは違って、しっかり現像技術をつかもう、今の心境を率直に表明しようとする真摯な態度が好ましかった。好ましいのだが、作風は夜の誰もいない公園だったりして、あまりに自分に閉じこもり気味で、かつ、それに甘えているようで、「もうそろそろ何とかならんのか」という気持ちだった。 今展、彼はいろいろ出しているのだが、一つのシリーズは旧作だ。それが、上に載せた作品群だ。 単純に言えば、夜中に放浪する、自分自身の投影であり、それに浸る甘えた心情だ。人恋しいのだが、人は撮らないという態度だ。そのことを責めない。ここから出発することは悪くはない。ここに長く留まることはよろしくないと思う。 今回の新作だ。ようやく変化した。しかも、ネオン街の「人」を撮り始めた。 作品そのものは人を撮れた喜びで、腰が退けているのは否めない。バライタ印画紙や、現像の仕上げ具合の努力はたいしたものだが、「人」を撮るのに撮影者の心が退いているのが最大の欠点だろう。ベンチに腰掛けた女性を撮る視点は男の情けないロマンチシズムの表れで、ちょっと恥ずかしいところだが、やっぱり男はここから出発するのだから良しとしよう。今後は、意力を込めてもっともっと迫って撮る、あるいは余裕を持って一歩離れて撮るのだろう。倉内亮と被写体との対話が始まった。 ○ 磯田千尋の場合 彼女は白黒やカラー、オーソドックスに動物を枠に収めて撮ったりと、ファンサービスを込めていろんなバージョンを披露していた。だが、面白いのは上に紹介したカラーの接写シリーズだ。 自室にミニ・スタジオを作って、いろんなアイテムでそこを飾っての撮影とのことだ。今展の全作品はそこから生まれたのだろう。だが、建前と本音で撮ったのでは、見る人に与える印象は全然違う。本音中の本音が上の作品群だ。 アイテムを並べる。カメラで自分の作った世界を覗く。ぐっと、接写で入り込む。そこに自分を発見するのかもしれない。そして、色付いた姿でこちらの世界にウインクする。カメラという眺める手段から入りはするが、決して眺める人ではないのでしょう。女の本姓というのか、色づき着飾り、チラリズムで廻りに対話しているのです。セクシーを自覚してはいないが、甘いピンク心がほの見えて、実に愉快だ。 卒業後も、もっともっと作る世界を研いて欲しい。積極的に見せる機会を作って、ご自分の美学を邁進して欲しいものです。
by sakaidoori
| 2010-02-13 22:52
| 北専・アイボリー
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||