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栄通記

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2010年 02月 05日

1184) 時計台 「第4回 道都大学・学生作品展」 2月1日(月)~2月6日(土)


○ 第4回 道都大学・学生作品展

 会場:時計台ギャラリー 2階A・B室 3階全室
    北1条西3丁目 札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
    電話(011)241-1831

 会期:20010年2月1日(月)~2月6日(土)
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・1 4)

 卒業生は16日から市民ギャラリーで卒業制作展が開かれます。それ以外の在校生の作品展。

 中島ゼミで版画(シルクスクリーン)を学んでいる学生の作品は、中島ゼミ生を中心に展覧会でかなり見ている。だから気分は親しい。
 全体の印象は日頃の勉学の成果を淡々と発表しているという感じ。
 絵画も沢山見れて良かった。絵画は道展的な傾向で、堅実な風景画もあった。年配の鑑賞者が「こういう風景を画く学生は、ズーッとこういう風に行くのかしら?」と、ほほ笑んで話されていた。「はっきりは分からないが、おそらく変わるでしょう。今は勉強時代だし、とりあえず、風景画が絵の入り口なのでしょう。将来の変化よりも、長く絵を画いて、他人に見せる絵描きになってもらいたいですね」と、返事をしておいた。

 絵画と版画の紹介だけにします。


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     (↑:A室。)

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     ↑:2年・清武昌、ともに「秘密」・150F & 40F キャンバス。

 チューリップ達の赤さと全体のピンクさが目立ち、青春らしい深刻さが少し薄れた。人物は当然自画像でしょう。

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     ↑:3年・三戸愛。「帰国子女」・10F アクリル カンヴァス。

 思い出を誘うような線描と、軽い華やかさで踊っている色の世界。どうせなら、F100位の大判が見たい。タイトルがなかなか意味深です。


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     ↑:2年・本庄世奈、「微笑み」・100P 混合技法 板。

  オーソドックスな静物画的構図。上部の細やかな華やかさ、ざっくばらんな青や赤や黄の強い主張がお気に入り。まだ2年生というのに、しっかりした技術です。


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     ↑:3年・三澤和浩、「老練」・100F 油彩 板。

 モデルは親族なのでしょうか?人物画というよりも、モデルを讃える肖像画的要素の強い作品。


 この大学の絵画の作風を見ていると、指導者は古典的な細密画を得意としている画家のようだ。学生の短期間での技術の習得には驚かされる。情熱的というか、きびしい指導をされているのだろう。きつく対象を見る目を育てているのだろう。あとは、学生自身が自分自身と対話し、この技術を伸ばすか、放棄するか、自己表現という大海にでるしかない。


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     ↑:3年・児玉陽美。平面作品は、「見ている」・103×73㎝ アクリル カンヴァス、「キス・キス・キス」・91×71㎝ 同。

 突っ張りひょうきん族の児玉ワールド。何かにつけ雑な仕上げが彼女の特徴。細かいところよりも、遠くを見つめていたいのでしょう。雑さ加減は青春模様とも繋がっていて、悪くはない。将来は、その雑なところも意識的に取り組まなければならないのでしょう。



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     (↑:B室。中島ゼミ室。)


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     ↑:3年・中村理紗、全作品(7点)・72.8×103㎝ シルクスクリーン ケナフ紙。

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 意欲的出品の中村理紗。ご本人同様、あどけなさが漂う作風だが、「自分にはこれっかない」という直線的姿勢が好ましい。幼き頃のイメージが主体のようだ。丸くてまろやかなまんじゅうを頬ばるような輪郭線、皮膚感覚のもつれ具合にチャレンジしているようだ。セクシーというより、こそばゆい。


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     ↑:3年・堀成美、左から「Soften」・100×82㎝ シルクスクリーン ケンナ紙、「狡兎三窟」・72×103.5㎝ 同。

 以前の個展時に、日記のようにして作品を沢山展示していた。その賑やかさに比べると、ムードは一変している。たゆたゆしく詩を紡ぐ、という印象。
 「狡兎三窟(こうとさんくつ)」(=ずるいうさぎは三つの穴を用意して、逃げ道を確保している)、ポエムという趣は、何かの逃げ道かもしれない。
 中村理紗と同様に、。「・・・いつの間にか少女は、大人に成っていく・・・」そんな詩が聞こえてきそうだ。


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     ↑:3年・住吉直通、左から 「脳欲望に焼かれ、体毒に蝕まれる」・H2 シルクスクリーン 手彩色 紙、「透明になるための儀式」・B1 シルクスクリーン 紙。

 にぎにぎしく、住吉踊りの全開!!もう一作のタイトルは「お先真っ暗田舎娘」、ワンダフル・ネーミングだ。さて、未来ある都会坊やに乾杯しよう!


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     ↑:3年・工藤悠、小品が「干し蝦」で、大作が「沖干し」・94×243㎝ 染色。

 海産物を干してリズミカルな絵にするのを得意とする工藤悠。
 道都大学シルク・テキスタイルにとって、この展示スタイルは基本のようだ。こういう発表は大事なのだが、応用編みたいなものも見たいものだ。安直な意見だが、浴衣を作るとか、他の表現者に作品素材を提供して、インスタレーション的作品に仕上げるとか・・・、方法はいくらでもあると思う。工藤君!期待しています。

by sakaidoori | 2010-02-05 11:54 | 時計台


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