栄通記

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2010年 01月 18日

1159) アートスペース201 「札幌国際情報高等学校 美術部展」 1月8日(木)~1月13日(火)

○ 札幌国際情報高等学校 美術部展

 会場:アートスペース201 (5階)
    中央区南2条西1丁目7-8 山口中央ビル
    (北向き)
    電話(011)251-1418

 会期:2010年1月14日(木)~1月19日(火)
 時間:10:00~18:00
    
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(1・16)

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 楽しみにしている高校生展です。

 この学校の油彩の特徴は写実に徹した丁寧さです。だからといって、絵が堅いとか、自由度が低いということではありません。それぞれの学生の気分や主張が好ましく伝わってきます。
 テーマに関することは、各学生が明快に説明しています。顧問の先生の指導なのでしょう、「なぜ画くのか?何をかくのか」を文章化させて自意識を高めさせているのでしょう。その文章が面白い。文章の基本は、思ったことをチャンと書くことにあると思っています。それがしっかり出来ている。
 もっとも、書かれたことは作家の建前的な正直な言葉です。その言葉に関係なく、絵を楽しみたいと思っています。

 以下、何点か個別作品を載せます。

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     ↑:2年・三上夕貴、「小春日和」。

 昨年は彼女の作品をアバウトの写真に使わせてもらいました。彼女の光のとらえ方、画かれた物の存在感、何ともいえないその女心の表現が、僕を惹きつけます。単純に好みの画家です。
 マニュキアが一つの工夫です。目鼻口の強い表現にこの爪色、強い意志の現れのようです。僕自身は妖しさがでればと思うのですが、それは勝手な僕の妄想でしょう。ソファー・クロスの上部の輪郭線がマネ風に強い極太ならどんな主張になるのだろう?そんなことを想像してみました。


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     ↑:3年・千葉美香、「生きる」。

 大地の初雪の頃を感じさせるボリューム感と生き生きさ、その大地を支持体のようにして木の影がうようよと這い回っている。絵が立体的で面白い。
 画家はそれらを「生きる」という生命力として説明している。確かに生命力には違いない。僕には絵そのものが不可思議さをともなった生命体に見える。もしこの木の影が画家の意志を離れて、画面全体を覆い尽くし、光を遮ったらどうなるのだろう?大地の草花は枯れ果てるかもしれない。いや、それでも「生命力」を保ってわずかに生き延びるかもしれない。すると、影は「命」を見つけて襲いかかってくるかもしれない。そういう逞しくも妖しい、絵画の運動を感じる。


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     ↑:2年・佐貫友記、「未知創(みちつく)」。

 基本的にモノトーンの世界だと思う。青春画です。

 モノトーンなのに画面全体から色を感じる。だから、右上の色の点描は装飾過多で、絵の沈鬱さを壊しているように見える。中央上部の白い部分、原画はぞんざいな白だ。この手抜きのような白色が良い。だから、どうしてもそこに色の点描が欲しくなかった。
 道が左の方を曲がりながら細く上部に消えていく。その右側に、工事現場の三角帽子がうねりながら道になって、同じく上部に消えていく。そこに意味不明の「白い世界」が待ちかまえている。
 どこか、ブルーな世界だ。
 青年のそんな心理を「工事現場」が現している。しかし、工事は「道」となって将来に姿を変えていく。その希望の強い意志を画面の数カ所の白地に見た。ふさぎポールは片側が外されて、風通しが良い。断絶無き断絶。
 男性青年らしい不安と希望の絵だ。


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     ↑:2年・天野瞳、「空からこぼれる光の中で」。

 タイトルを無視して楽しめる絵だ。古道具屋の小道具の世界だ。小道具の一つ一つに大きな意味は無いのだが、そこに納められた姿は、何ともいえないムードを醸し出している。「だから何なのよ」と問いつめられても困るのだが、こんな構図の小道具に囲まれて、体を横たえて居眠り気分で本を開き、せんべいでもほおばりたい。そんな時の流れと、世間離れした空間を感じる。


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     ↑:2年・林満奈実、「心身ともにゆらゆら」。

 電車に乗ってゆらゆら、点描が水玉風でゆらゆら・・・ではないのです。
 確かに普通の点描画かもしれない。ですが、画面全体に気を配り、しっかり点を打っていく姿、相当な集中力です。その執念に反してタイトルの軽さ、良いですね。見る人に重い気分を与えないサービス精神です。
 主題の女性の背景は電車の風景ですが、その女性の心象風景のようにも見える。二重写しになっていて、画家の工夫かもしれない。


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     ↑:左は3年・小坂友梨、「きらきらしたときがありました」。右側は 3年・黒川優香、「描きたかったもの」。

 闇夜での楽しい遊びの世界。小坂さんは闇夜を開くように上に上にと心が動いている。黒川さんはひっくり返って、逆さに逆さに沈んでいく。私はどこに行くのだろう。どこまでも沈んでいこう。


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     ↑:1年・大門夕莉、「dry flower」。

 少し線が細くて弱々しいですが、ドライ・フラワーを大事に大事に描いている。さて、将来はどんな画風になるのだろう?細密画?妖艶画?静物画家?

by sakaidoori | 2010-01-18 23:50 | アートスペース201 | Comments(0)


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