2009年 12月 03日
○ 第3回 北海道現代具象展 ・ 札幌会場 会場:札幌時計台ギャラリー・2階3階全室 中央区北1西3・札幌時計台文化会館 (東西に走る仲通りの北側のビル) 電話(011)241ー1831 会期:2009年11月30日(月)~12月5日(土) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~17:00まで) ※ 道内5会場で開催。(詳細はパンフを確認して下さい。) 【今後の予定】 ・ 室蘭市民美術館 ⇒ 12月8日(火)~12月13日(日) ・ 深川市アートホール ⇒ 12月16日(火)~12月27日(日) 【参加作家】 招待作家・5名、北海道在住作家・21名。 (お名前はパンフを見て確認して下さい。) ーーーーーーーーーーーーー(12・3) 案内状を頂ました。ありがとうございます。 (以下、敬称は省略。) 中堅・ベテランの道内具象画家達の作品傾向を推測することができます。しかも、知名度が高いという全国版の作家作品もありますから、一見の価値は間違いなくあるでしょう。(僕自身は招待作家の作品は見れば僕名なりの感想は書けるでしょうが、その知名度や社会的人気の程度は全然知らないので、紹介のしようがありません。) 今展は火曜日に見てきました。 小品は一切ありません。特に2階は見知らぬ招待作家や超大作もあり、気になるところでした。3階は少し壁の余白がありすぎたようでもったいない感じ。 印象深い作品の何点かのメモ。 羽生輝の断崖の作品には驚かされた(パンフ作品と同じ)。崖の上の模様、戦艦の艦橋(ブリッジ)に見えた。ガスが消え始めた時に、崖の上に戦艦を見る、そんな幻想と戦争というリアリティーを見た。 福井路可の宗教画(パンフ作品と同じ)。実に大きな作品で、大祭壇画だ。モチーフや手法はいつものことなので驚きではないのだが、その大きさに打ち込む真摯な姿には圧倒される。3組対作品なのだが、特に右側の「青」が何とも言えない。綺麗だ。 森山誠(パンフと同じ作品)。いつもと同じモチーフなのだが、激しい作品を出品された。以前は大胆な線の区切れ、それによるあっさりとした面の構成が絵の構図だった。構図を重視した作風だ。氏独自のマチエールと重なり静寂さと緊張感に満ち満ちていた。人物はあたかも飾りのようなものであった。 今回、非常に人間臭い。黒い部分は人物か物の影のようになり、明快な直線が消えた。古風になったとも言えるが、そうではないだろう。何かしら自分を奮い立たせているようだ。まだまだ深化する「森山誠」だ。 波田浩司(パンフと同じ作品)。いつもと同じモチーフで都市と浮遊感だ。物と心の現在の有り様を問うているのだろう。今作、背景の紫が強烈だ。とても浮遊感にマッチした色合いとは思えないが、その大胆さを支持したい。 輪島進一は2点の出品。控え室での踊り子の化粧風景をデッサン風のモノトーンにしたもの。 すごく上手い。残念だが上手さ以上の何かが伝わらない。踊り子の一時の安堵感なのか、次に備えての緊張感なのか、場そのものの空気感なのか、衣装の背中のジッパーは緩められてはいるがエロスとは無縁のようだ。チラリズムの影すらない。 非常に刺激的な作家だ。この8年ばかり、氏の作品を見ている。つくづく絵画の難しさを思う。 川端盛邦は顔の輪郭線を切り抜いていた・・・。書いていたらきりがなくなった。余りに参加作家が多くて手にあましてしまった。参加者の多さ、その点もこの会派の特徴だ。ある種の視点をを研ぎ澄ませて見続けるには弱点だろう。何かに出会える可能性は高い、ということでは利点があるだろう。 鑑賞当日は財布を忘れていて図録も買えずじまい。カメラのバッテリーはなくなるは・・・もっとも作品撮影の許可はもらえるのだろうか?全国版の作家参加と思うと、お願いするにも気後れしてしまいそうだ。情けない。
by sakaidoori
| 2009-12-03 09:47
| 時計台
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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