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栄通記

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2009年 06月 23日

1015) ①市民ギャラリー 「2009 第64回 全道展」 6月17日(水)~6月28日(日)

○ 2009 第64回 全道展

 会場:札幌市民ギャラリー・全階
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2009年6月17日(水)~6月28日(日)
 休み:22日(月) 
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~16:30まで。)
 料金:一般・800円 高大生・400円 中学生以下・無料

 主催:全道美術協会 北海道新聞社

ーーーーーーーーーーーーーー(6・19・金)

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     (↑:屋外の彫刻作品。)
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     (↑:1階のホール。)
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     (↑:1階の入り口直ぐのメイン会場。)


 刺激的な作品が少なかった。ベテランは作品を見れるだけでも嬉しいのだが、中堅の意欲作が少ないのが寂しかった。一般もアレッという作品に出会う事はなかった。
 日頃の作品への淡々とした取り組みを、そのまま淡々と見て廻ったという感じだった。

 それと、会員・会友・一般と沢山の数なのだが、この公募展以外の日頃の発表が少ないのではと思った。公募展で自分を出し切るというのは無理な話だ。描く人見る人が一堂に介して、一般的に美術を刺激し合い、交流する場だと思う。もっともっと個展を中心とした発表をしてもらいたい。


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     ↑:会員・神田一明、「狂女」。

 今展一のお気に入り。
 背景の描写が何時にも増して妖しげだなーと思ってタイトルを見ると、「狂女」とある。
決して人物は狂い女には見えない。背景の色が狂っているのだ。タッチとか補色とかの狂いではない。それにしても神田一明氏はかなりのベテランだ。こんな色狂いの作品を出すとは。感服。


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     ↑:会友・川上加奈、「はこぶ人」。

 乾漆作品。
 「はこぶ人」というよりも、体に異物を孕んでいて、異物と嫌々ながらも共生しているという感じ。異物を常にはこぶ気狂い娘、と呼ぶべきか。しなやかな毒素というよりも、あまりにもストレートの毒素、闇を抱え込み過ぎだ。




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     ↑:左。会員・八子直子、「Your Story」。
    ↑:右。会員・森弘志、「なみ」。

 ともに実験的作風だ。なかなかの好1対だ。
 八子さんの全てにおいて力強い表現。目が大きい、ホッペが大きい、顔が大きい。負けそうだ。子供をただただ可愛いと描かないのが良い。子供の人生を見定める親の強い眼差しだ。
 何を描いても荒ぶること無く、不気味なロマン漂う森ワールド。出品作の裏側にはどんな物語りを秘めているのだろう。その全貌が見てみたいものだ。


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     ↑:会友・西辻恵三、「黒の存在 -牛骨がある Ⅰ-」。

1015) ①市民ギャラリー 「2009 第64回 全道展」 6月17日(水)~6月28日(日)_f0126829_18534689.jpg 面白い牛骨だが、基本的に安易に画題にシャレコウベを描く姿勢が好みではない。骨自体の画題としてのメッセージが強過ぎるからだ。骨に描く思いを絵そのもので表現して欲しい。
 左側のボヤケタ白黒の世界、ずーっと見ていると人の顔にも見えてくるし、モノトーンとしての色の主張が伝わってくる。円い月、その円の位置を変えたらどうなるだろうと、遊びたくなる。作家の意図ではないだろうが、無理の無い遊び心の月の白さであり形と位置だ。
 黒に込めた優しさが伝わってくる。


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     ↑:会友・吉川孝、「unchain 09-1」。

1015) ①市民ギャラリー 「2009 第64回 全道展」 6月17日(水)~6月28日(日)_f0126829_19445440.jpg 画布が切られている。痛々しい作品だ。
 最近は以前のマウスとか橋とかの画題から離れている。昨年はコラージュを取り入れていた。今年は貼るのを止めて切り裂いた。タイトルの「unchain」は動詞の「開放する」。絵を開放するのか、作家自身を開放するのか?あるいは願望としての行為なのか?
 おそらく、かつてキャンバスを切るということを絵画表現として取り組んだ時代があっただろう。今、こうして公募展という場で見ることになった。
 どこか開放からは遠く「迷走する」吉川孝を思う。今回はじっくりと作品そのものを見れなかった。


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     ↑:一般・村上知亜砂(中札内村)、「コロニー(部分)」。


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 ②に続く。

by sakaidoori | 2009-06-23 20:10 | 市民ギャラリー


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