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栄通記

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2009年 04月 02日

957) アバウトの写真 23回目 「2年・狩野悠佳子、『春』。」(札幌旭丘高校美術部・「校外展」)

○ 札幌旭丘高等学校美術部・校外展

 会場:奥井理ギャラリー
     中央区旭ヶ丘5丁目6-61
     (慈恵会病院へのは入り口の近く。看板あり。) 
     電話(011)521-3540  
 会期:2009年1月30日(金)~2月6日(金)
 時間:10:00~18:00

ーーーーーーーーーーーーーーー(2・5)

957) アバウトの写真 23回目 「2年・狩野悠佳子、『春』。」(札幌旭丘高校美術部・「校外展」)_f0126829_9574682.jpg


 旭丘高校2年・狩野悠佳子さんの「春」です。大きさは、30号~50号位でしょうか?

 この絵の魅力はタンクトップの上着からはみ出た肩に虫が止まっていて、それを強く無視する少女の目線と、その意思です。

 虫が素肌に止まっていると、どうしても見るこちら側はそこを注視しがちです。ましてや画面中央付近です。当然、少女はそれに何らかの反応をするでしょう。古典的描法の優れた画家ならば、虫を気にする少女の微妙な表情や心の動きを描き止めるかもしれない。もし、狩野さんがそういうことに関心があって描きこんで行ったら、きっと絵として失敗していたでしょう。難しすぎます。
 単純にしっかりこちらを睨む少女を描いた、単にその上に目立つところに虫を描いた、少女と虫を意識しないで描いた。それだけのことかもしれません。そのことが却って、心理的絵画として上手くいっているのでは。

 それと、描かれた形のどこをとっても丸みを帯びていて、全体が調和している。
 丸みと虫と少女の目、健康的と云うには余りに幼い少女の緊張した姿。若さをストレートに発揮している。
 

by sakaidoori | 2009-04-02 10:17 | ★アバウトの写真について


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