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栄通記

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2009年 04月 01日

956) たぴお 「今荘義男・個展」 終了・3月9日(月)~3月14 日(土)

○ 今荘義男・大個展

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側)
    電話(090)7050-3753
 会期:2009年3月9日(月)~3月14 日(土)
 時間:10:00~18:00

※オープニング・パーティー: 初日の18:00~

ーーーーーーーーーーーーーー(3・14)

 (今展は作品のマチエールが重要なのですが、写真は全然ダメです。すいませんでした。)

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     (↑:正面にドーンと展示。会場に入れば直ぐに目に飛び込む。)

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     (↑:正面の作品に圧倒された目を右に転ずれば、新作がこれまたドーンと展示。)

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     (↑:気を取り戻して左に目を移動すれば、中品が所を得た感じでそこにあります。)


 全部の作品が「古里(コリ)」。

 いつの頃から氏が「古里・シリーズ」に取り組んでいるかは知らない。当然、画風の遍歴を知らない。僕は同じタイトルで、似たような絵しか知らない。この5,6年の「古里」のわずかな変化を知るばかりだ。それで構わないだろう、長い画歴で到達したライフ・ワークなのだから。それらの絵を見ていると、「信念の人」という印象を持つ。

 今展、大いに楽しんだことが2点ある。
 一つは、あの画面でのまるい形に遊び心がムンムンしていることだ。
 一つは、色だ。赤をのびのび使っている。
 両者に言えることは、自由度が増していて可能性が膨らんだと思う。氏は絵画の精神性を追求する余りに、時に硬さの強い時もある。もっとも、その真摯な追求姿勢から生まれた作品を、僕は惚れ惚れして見ているのだが。

 
 ここ数年の今荘絵画を見ていると、わずかだが実験的なことを試みているようだ。静かにこそっと。例えば色使いだ。普段見られない色だから新鮮なのだが、どうしてこういう色を使ったのだろう、と思ったりした。
 円の形にしてもいろいろと細かい変化がある。すぱーっと抜けたような形と、いろいろ考えて理知的に処理したのではと思う時がある。その細かい変化を通して、「画家は生きているんだな、絵が動くものだな」と感心して見ていた。

 
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 今展、上掲の2作が素晴らしい。
 上の作品、円が遊んでいる、高笑いしている声が聞こえそうだ。「クレヨンしんちゃん」とか「天才バカボン」の童顔を思い浮かべてしまった。古里とは子供が遊ぶところ、ケンカするところ。それを村(色や形)がしっかりと支えている。

 下の絵、ただひたすら円を見つめている、赤を見つめている。しかも、細かいことは省いて、色の重なりだけを見つめている。抽象画らしいシンプルさだ。実に今荘義男らしい。伝統的東洋美の世界に、現代人が今を前提に対話している。だが、個を引きづることでしか生きられない現代人は伝統美に埋没するわけにはいかない。
 氏にとっては毎年毎年が再スタートだ。この絵は「更なる再スタートの『古里』」だ。


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 青を基調にした世界は豪華な生地の模様のようだ。もし他の画家の作品だったら、「良い絵だ」と単純に言うだろう。だが、今荘・作品としては装飾過多で心の落ち着くところが違うみたい。


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by sakaidoori | 2009-04-01 22:22 | たぴお


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