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栄通記

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2009年 03月 27日

951) ② 時計台 「第8回 サッポロ未来展  福森崇広の場合」 終了・3月16日(月)~3月21日(土)

○ 第8回 サッポロ未来展
     「LABORATORY」  

 会場:時計台ギャラリー 2階3階全室
    中央区北1条西3丁目・札幌時計台文化会館 
    (中通り、北側にあるビル)
    電話(011)241-1831
 会期:2009年3月16日(月)~3月21日(土)
 時間:10:00~18:00 
 (最終日は、~16:00まで)

※ ワークシップ、ライブ(三味線)有り ⇒

 【参加作家】
 秋元美穂 稲實愛子 海藤慎治 風間真悟 河崎辰成 河野健 菊谷達史 こうの紫 佐々木ゆか 佐藤仁敬 佐藤正和重孝 鈴木秀尚 高村葉子 竹居田圭子 立岩明日美 田中怜文 波田浩司 福森崇広 藤田有紀 水野智吉 宮下倹 宮地明人 明円光 村山之都 谷地元麗子 吉田浩気 渡辺直翔 渡辺元佳 ・・・以上、28名。

 主催:当実行委員会
 共催:当ギャラリー
 協力:札幌武蔵野美術学院

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・17)

 ②以下個別作品を載せます。
 今回は福森崇広のみ。

951) ② 時計台 「第8回 サッポロ未来展  福森崇広の場合」 終了・3月16日(月)~3月21日(土)_f0126829_1118369.jpg
     ↑:福森崇広

 今展でもっとも印象に残った作品。タイトルを記録するのを忘れました。図録を参照すると「アニメーション背景の街」とあるが、これが全体のタイトルかどうかは不明。

 左側は映像作品で、右側は絵画。ともに6区画に区切られている。絵画は映像の原画という関係。映像は決して速いスピードではないが、6シーンがばらばらな動きをするので捉えどころがない。通奏低音のようにして、6個の絵画がそこにある。部屋全体は当然暗い。このB室は「暗がりの中に」がテーマ。

 焦点の定まらない都会絵巻だ。作家は見る人の目が一つに定まることを拒否する。それでいて爽やかに心地良く都会の空気を感じさせようとしている。情念という人の生理を拒否し、情緒で都会に関わろうとしている。軽いコミック絵画を思う。作家は多分優しい人だろう、作品があまりに味気無くては見る人が退屈すると思って、ほんの少しだけ「人」も登場させる。だが、都市という風景の中の風景としての「人」以上の意味は無い。
 乾いた覚めた視線。雑多な街だが「○○市」という特定を排除しようとしている。町全体を北海道の雪景色で覆っているようだ。「都会のあれやこれや何ていうことはどうでもいい。雪が降れば皆隠れてしまって、何て綺麗なんだろう!」作家は都会に住んでいるのだろうが、その現場・社会と対峙することを避けているようだ。

 画面や絵にはいろんな物語を込めているはずだ。だが、物語として作品を記すにはあまりにも物語からは遠い。物語喪失作品でもある。

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     (↑:ワークブックから。作品の為の写真。写真の切り取りが素晴らしい。写真を撮り、その取捨選択の中で絵画は半分できあがったようなものだ。後は絵の技術を磨くことなのだろう。
 方向性は全く違うが小林麻美の「風景観」と比較してしまった。彼女は「虚の中の実」を追い求めている。彼は「虚」を見つめている。)


 ③に続く。

   

by sakaidoori | 2009-03-27 12:40 | 時計台


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