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栄通記

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2009年 02月 05日

886) 奥井理ギャラリー 「札幌旭丘高等学校美術部・校外展」 1月30日(金)~2月6日(金)

○ 札幌旭丘高等学校美術部・校外展

 会場:奥井理ギャラリー
     中央区旭ヶ丘5丁目6-61
     (慈恵会病院へのは入り口の近く。看板あり。) 
     電話(011)521-3540  
 会期:2009年1月30日(金)~2月6日(金)
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    (最終日は、~16:00まで)

 【参加学生】
 1年・ 片野莉乃 三上いぶき 秋田胡桃 大塚めぐみ 佐藤愛美
 2年・ 狩野悠佳子 佐々木祐美 金子沙織 坂東桃子 前川沙綾 宮本柚貴 河口奈実 泉静耶
 3年・ 堀田千尋
 顧問・ 齋藤周
 
ーーーーーーーーーーーーー(2・5)

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 実に羨ましい高校生達だ。
 綺麗で立派なギャラリーの半分を使っていた。しかも、残りの空間は兄貴程度の年齢差の青年の絵画空間だ。その人は高卒後に美術を学ぶために東京に行き、交通事故で帰らぬ人となった。奥井理君だ。

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 ほとんどの絵は薄塗りで優しく描いています。一心不乱さやがむしゃらというのではなくて、自分自身の気持ちを素直に描こうとしているみたい。そんな気持ちを同じくした仲間達展です。おそらく顧問の先生が齋藤周さんだから、無意識のうちに彼のたゆたゆしい画法を引き寄せているのでしょう。
 それは強烈な個性の発揮とは違っています。高文連や高校生も対象にした公募展の中では、少し目立たいでしょう。ですが、競争展を離れた一つの世界としての展覧会として見ると、普段着の彼女等が垣間見えて思わず拍手を贈りたくなります。

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     ↑:2年・河口奈実、「ゆめこ」。
 関節人形?でしょう。今の高校生はこういう作品に取り組むのですね、・・・思わず嬉しくなってしまいます。小品ですがそれで構わない。沢山作って、服もいろいろ作ってあげて物語展まで進んで欲しい。


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     ↑:2年・坂東桃子、「柘榴」。
 尖がった口の少女と黄色い背景、そして柘榴(ざくろ)の赤の組み合わせが楽しい。
 札幌では柘榴は珍しい。
 あるイベント会場で売られいたので土産に買ったことがある。妻は初めてなものだから食べ方がぎこちない。これを食すると口の中が真っ赤になる。美味しくて喜んで大きな口を開けると、口の辺りが真っ赤かで凄い形相になる。おまけに手まで赤くなる。血を滴らせて喜んでいる状態だ。
 だが、この絵は黄色だ。柘榴への喜びが黄色を生んだのだろう。飽きない黄色だ。


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     ↑:2年・金子沙織、「幽か」。
 幽霊のような女性が、画家の技術の拙さも手伝って可愛くも見える。学生の心の中や社会を見る目のアンバランスさがに匂う。


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     ↑:1年・三上いぶき、「キミがいた夕暮れ」。
 今展で一番大きな絵です。未熟な絵です。未熟ですが、伸びやかな絵です。
 夕暮れを赤と決めつけてはいけない。人はそれぞれの夕暮れを持つものです。この人は大地に対する信頼があるのでしょう、薄くはあるがしっかり黒で表現している。深くはないが、大きく自然を見ている。きっと大きな目をして見ているのだろう。「キミが・・・」とあるから、楽しい思い出があるのでしょう。


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     ↑:左側、1年・片野莉乃、「水辺の風景」。
     ↑:右側、・3年・堀田千尋、「まわりみち」。


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     ↑:2年・狩野悠佳子、「春」。

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     ↑:同上、散文・「戯び」。
 彼女は円く表現する。どこをとってもま~るい。その組み合わせと統一さが落ち着いた色と重なり、しっかりとした存在感を出している。目も力まずにこちらを向いている。タンクトップの肩にてんとう虫が止まっている。体も目もそれを無視している。見るこちらは逆にその虫と目と全体の少女の雰囲気に交互に意識が横断する。
 自画像だろう。凛とした清々しい絵だ。
 展示の裏側には二編の散文詩が展示されている。絵と言葉が学生の心の表と裏のように演出されている。拡大して呼んでみて下さい。なかなかの表現力です。


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     ↑:2年・宮本柚貴、「shine in the rain」。
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 楽しい傘です。雨模様は夢育む遊びの時間なのでしょう。雨降る日には特性のマイ・カサを拡げて、絵を小脇に抱えて何かを思って歩むのでしょう。

 結構楽しんだのでもっと載せたいのですがきりがありません。今回はこれまでということで。

 




 最後に奥井理君の作品を1点だけ載せます。次回の訪問時にはもっと作品を載せたいと思います。

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     ↑:奥井理、「少女の顔(習作)」・札美18歳。
 おそらく心の恋人を想定しての絵だろう。同時に彼女に対する自己の悩みをも重ねている。恋する自己と焦がれる他者のダブル・イメージなのだろう。
 いづれにせよ、強い恋心を思う。青年の絵だ。


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     ↑:ギャラリー空間と窓の間の部屋。渡り廊下でもあり、日なたゴッコをするところでもある。窓辺に頬を付けると冷たい。暖かい部屋で身が引きしまる。

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     ↑:南向きの窓からの景色。メイン道路が直ぐ傍だ。谷になっていて歩いては行けない。

by sakaidoori | 2009-02-05 22:59 | 奥井理g.


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